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糖尿病になった猫&虐待にあった猫と暮らす私(pancia)が、 「猫と人がともにしあわせに暮らす」日々のために できることを探し、発信していくブログです。

"追跡!ペットビジネスの闇"クローズアップ現代+を見て考えた

2016年5月26日放送のNHKクローズアップ現代「追跡!ペットビジネスの闇」という番組を観ました。

 
内容は、近年のペットブームで、犬や猫等の動物が商品として大量生産、大量消費されている。その裏で売れ残りとして大量処分される現実があると報じていました。(特にここのところ、ネコノミクスなどと言われていて空前の猫ブームだというコメントもありました)
 
行政も動物たちの殺処分を減らそうと動いており、動物愛護法も3年程前に改正されたとのことでした。しかしその改正で、ペットショップやブリーダーなどの業者が行政に殺処分依頼の持ち込みをすることが出来なくなったことにより、"引き取り屋"と呼ばれる業者によるペットの飼育放棄や虐待に近い行為が横行することになったのです。
 
日本でペットとして飼育される動物の流通経路として一般的なのが、ペットショップからの購入です。ペットショップで販売されている動物はある程度の年齢になってしまうと売れ残り、コスト(世話の手間とお金)がかかって邪魔になるので、"引き取り屋"がペットショップからお金をとって動物を引き取っているということでした。
 
"引き取り屋"はペットショップから引き取った大量の動物たちを狭い檻に閉じ込め、陽も当たらず、掃除も成されない糞尿にまみれた空間で飼い殺しにしていました。そんな劣悪な環境に長い間放置されている動物たちは、ほとんどが重篤な病気を患っており、間もなくそこで骨と皮になって死んでいくのでした。
 
番組では、あまりの惨状に目を覆いたくなるようなシーンがたくさん流れます。動物をこよなく愛する私にはとても辛いものがありましたが、この動物たちの気持ちを思えば、絶対に目を背けてはいけないと強く思うのでした。
 
需要があるなら供給される、今ブームに乗って売れるとなれば大量生産されるのは市場原理としては当たり前のことでしょう。
けれども命ある動物たちがモノ扱いされ、"商品"として、売買される。そういう、経済の仕組みの中で流通してしまう日本のペット産業の仕組みが、そもそも歪んでいるように思います。
 

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旅先で出会った懐っこいこの子は元気にやってるかな。
 
かく言う私も、12年程前にペットショップから血統書付のロシアンブルーを購入しました。それがシアンです。彼は私にとって人生で初めて一緒に暮らした猫で、幼い頃からそれはそれは切望し、夢が叶った幸せな瞬間でした。私もシアンもおそらくラッキーだったのでしょう。出逢えたことに感謝しているので、ペットショップでの購入自体を後悔してはいません。当時の私は、猫を飼いたいと思ったらペットショップから買うものだと思い込んでいたし、他の方法があるなんて全く思いも寄らなかったのです。
 
ただ幸運にも私はその後、猫を飼っていていろいろ調べる中で、地域猫や保護される猫たちの存在を知り、里親制度や譲渡会という方法があるということを知ることができました。過去私がそうだったように、知らなかったことを知ったときから選択肢が増えます。その上できちんと考え、一番最適だと思う方法で動物と出会うことができるような仕組みに今後、日本も変わっていけばいいなと思います。(このブログも微力ながらその一助になるといいのですが・・・)
 
ペットショップで運良く家族に出会える動物がいる一方で、たくさんの動物たちが不幸な目に遭っていることを知った今、私はもう無邪気にペットショップには入れなくなりました。一言では言い表せないような複雑な気持ちになります。
 
ペットの生体販売については、さまざまな立場にある人々のいろんな意見があることでしょう。
ただ、私個人としては、やはりそこに経済の市場原理だけを当てはめて見ることはどうしても抵抗があるのです。
大量生産、大量消費、売れなくなったものは在庫処分として早々に撤去し、売れるうちにどんどん新製品を投入する…
"命あるもの"はそんな風に理屈だけで合理的にはいかないはずです。非合理的で不条理、思い通りにならない、一筋縄ではいかないからこそ、生き物は素晴らしいのだと思います。
そんな動物たちを人間の都合で、経済合理性に無理矢理当てはめてしまうことに、私は違和感と憤りを感じます。
 
いま、こうしてネコノミクスとかペットブームだと言われて盛り上がっています。繰り返しテレビや雑誌等に露出することで、動物をかわいいと思い、生き物を飼ってみたいと思う人が増えるきっかけとなることは、本当に素晴らしいことだと思います。
しかしそれが"ブーム"だと言われるものならば遅かれ早かれ、いつか終わりが来るでしょう。
ブームに乗った人たちの熱が冷めた時、不幸な目に遭う動物たちがどれほど増えてしまうのか…私はいまからそれが一番心配です。
そんな日がずっと来なければいいのですが…
 
番組の最後で、ブームなんて言って煽っているマスコミにも責任があるというコメントが出て、ゲストの森達也さん(映画監督)が「マスコミはむしろペットブームの裏でこういう現実(ペットの虐待や飼育放棄、殺処分)があることをもっとたくさん放映してください。それでクレームが来るだろうけど、それでいい、それくらいして知らせないとダメなんです」みたいなことをおっしゃっていましたが、私も同感です。
 
動物を飼育すること、命を預かることの責任の重さを、明るくキラキラとした一面だけではなくて、仄暗くグロテスクな現実もセットできちんと見せること。その上で全てを引き受けようと思える人には、この上なく愛おしい家族としての動物たちとの、めくるめく毎日が待っているのだとちゃんと伝えてほしい。そう思いました。

私がこの番組を観たことはたまたまだったのですが、私にとってこのテーマは今後自分が人生をかけて向き合うことなのではないかと思っています。
 
まだやっと踏み出したばかりで、とてもとても小さな力だけど、今自分ができることをやろうとあらためて思いました。発信することで少しでも、1人でも一緒に考えてくださる方がいらしたら、本当に心からうれしいです。